【ペルソナ・ユング心理学】演じている自分が本当の自分になるメカニズム
「ペルソナ」とはユング心理学における「偽りの自分」を指します。
私たちは社会での役割を演じるうちに、無意識に本来の自分を見失ってしまうことがあります。
本記事では、ペルソナがどのように形成され、演じている自分が本当の自分だと思い込むメカニズムを解説します。
【ペルソナ】とは
ユング心理学で
「偽りの自分」
「役割を演じる」
という事です。
私達は社会の中で生きているうちに、いくつかの自分を演じながら生きています。
また、求められている事に応えようとしている内に、知らず知らずに本当の自分ではない自分を演じながら生きるようになっていく場合もあります。
生きている限り、そこでの役割を演じる事はあり得る事ですので、それら全てが惡いわけではありません。
しかし、演じ続けている内にあたかもそれが本当の自分だと錯覚して、無自覚に偽りの自分を生きる事で、本來の自分でない生き方になっていく事が問題なのです。
本当の自分ではない仮面をつけたように偽りの自分を生きるのが「ペルソナ」です。
なぜペルソナを演じるようになるのか
それは
自分を優位に見せたい
愛されたい
良い子と思われたい
認められたい
など、様々な感情から來るのですが、深い部分の心理は自分を守る為の場合がほとんどです。
子供の頃、親に「うるさい!」と言われ続け、嫌われたくないから大人しい子を演じる。
学校で笑った顔をからかわれて傷ついた事から、笑わない自分を演じる。
怒る事はネガティブな事だからと、怒らない自分を演じる。
このように小さな頃の経験から創り上げる場合もありますし、大人になってから創り上げる事もあります。
このような事から、本当の自分ではない「ペルソナ」を演じるようになっていきます。
最初は本当の感情を隠して、別の感情の自分を誰もが意識して演じています。
しかし、演じ続けているうちに、それがいつしか本当の自分と錯覚し、演じている事すら忘れてしまいます。
いつしか演じている自分の事を本当の自分だと思い込んでしまう。
それが【ペルソナ】です。
ペルソナを本当の自分だと思い込んでしまうメカニズム
演じている事全てが悪いのではないのですが、時に自分らしさを見失い、苦しくなっていきます。
苦しくなっているうちはまだ少しでも演じている事に自覚があるから「苦しい」という感情が出てくるのですが、更に演じ続けていくうちに演じている自覚すら無くなるので「苦しい」という感情すら無くなっていきます。
こうなった時が厄介なんです。
以前、私もそのような経験をして、その苦しみから抜け出す事がようやく出來ました。
ペルソナを演じている自分に氣づいた例
「ペルソナ」は、いつしか演じている自分という自覚から、それこそが本物の自分だという感情になり、以前の本当の自分の感情が変わった事され氣づかずに生きていきます。
わたしが傷ついた事から本当の氣持ちを閉じ込めて「ペルソナ」別の感情の自分になっていった出來事と、「ペルソナだった事」に氣づいた出來事がありました。
ペルソナを創り出したきっかけとなった最初の出來事は、10代後半から20代にした恋愛でした。
その彼とはかなり長く付き合っていたのですが、彼に好きな人が出来て別れる事になりました。
その時泣いて、すがりついて「別れたくない!」と叫びたい自分もいました。
しかし
「その子は俺がいないとダメなんだ。でもお前は一人で生きていける。」
と言われ、何も言えないまま別れてしまいました。
そこからしばらくして付き合った彼に浮気をされたのですが、その時前の彼に言われた事が頭をよぎりました。
そして本当は浮氣なんて嫌なのに、怒りをぶちまけたいはずなのに、嫌われる事や彼が離れていくのではないかという不安から、聞き分けのいい大人の女を演じたのです。
「私はそんな事で騒ぐような女じゃないわ!」って…
前回の振られた経験から「別れる」と切り出されるのが怖かったからです。
その後に付き合った彼は浮気はしませんでしたが、付き合いが多い人でしたので女友達も多かったんです。
だから女友達の相談に乗る事も、女友達と飲みに行く事もありました。
浮気ではないと分かっていても本当はあまり行ってほしくなかったし、焼きもちを焼いていました。
でも、それを言えませんでしたし、何も言わずに送り出していました。
聞き分けのいい大人の女を演じていたのです。
この時はまだ「聞き分けのいい大人の女」を演じている自覚はありました。
だから苦しかったです。
でも、いつからか、それが本当の自分だと思い込んでいたのです。
いつから本当の自分だと思うようになっていたのかは分かりません。
だから友達と浮氣の話しになっても
「男なんて浮氣しない人なんていないよ!」
「わたしは焼きもち焼いたり、騒いだりしない。」
などと言っていたのです。
この時は演じている自覚も無くなっていた時でしたので、本心で話していると思っていました。
そして「男は浮気するのが当たり前なんだから、別に戻ってくればいいのよ!」というような事を言っていました。
この頃は、完全に「何があっても動じない大人の女」だという感情は、本当の自分だと思い込んでいました。
それからかなりの年数が経ち新しい彼が出来た時に、わたしを内側から揺さぶるような出來事が起こりました。
その彼は、どこに行っても人気者になるような人でした。
初対面でもすぐに仲良くなれるし、自分からグイグイ会話をするような人です。
それがとても魅力的で好きな所でもありました♡
そしてとても素直でしたので、何でも私に話します。
ある時仲良くなった女友達について話してきました。
わたしが仕事の時、会う約束をした事も遊びに行った場所や様子、楽しかった事、何でも話してくれました。
何度も何度も!
何度も何度も聞いている内に、わたしはとても心が苦しくなりました。
わたしは、焼きもちを焼きイライラが募り、どうにもならないような気持ちになりました。
「わたしにこんな感情あったのか!」と自分でも驚くほどの醜い嫉妬や憎しみの感情でした。
この時
「どうしてこんな風になってしまったのだろう?」
と悩みました。
友達に話すと「それを感じ尽くしてみたら?」と言ってくれたのです。
それから私は内観しました。
すぐに答えは出ませんでしたので変わらず苦しいままでしたが、ある時ふと最初に書いた彼の事を思い出しました。
そこから
その時の出來事や感じた事
次に付き合った彼との出來事や感じた事を
順番に考えていきました。
すると、最初の彼と付き合っていた時は、最初は焼きもちを焼いたり嫉妬心をあらわにしていましたし、自分の気持ちをきちんと伝えていた事を思い出しました。
しかしいつ頃からか素直な氣持ちを言い出せなくなり、別れる時ですら本当の自分の氣持ちを押し殺していた事に氣づいたのです。
次に付き合った彼には嫌われたくないから、焼きもちなどは出さずに何も言わない彼女を演じていた事に氣づいたのです。
「嫉妬もしない聞き分けのいい大人の女でいたら愛される」「別れずに居られる」と思い込んでいた事から嫉妬心を押し込めて、何も言わない聞き分けのいい女を演じるようになっていたのです。
それが争いや別れもなく無事に付き合っていける手段
自分を守る為の手段
だったんですね。
そして本当の自分を隠して違う自分を演じているうちに、いつしかそれが本当の私だと心の底から思い込んでいた事に氣づいたんです。
「本当のわたしは焼きもち焼きで泣きたい時は泣いて、嫌だって叫びたい時は叫びたかったんだ!」と…
それを克服しないと、また同じ事の繰り返しだと氣づいたんです。
この事に氣づいて、わたしは彼に嫌われてもいいから正直にこの嫉妬心や憎しみを伝える事にしました。
別れる覚悟で彼に伝えました。
これがペルソナを棄てる瞬間でした❢
何度も何度も泣いて叫んで時には怒りながら
どれだけ苦しいか、辛いかを伝えたのです。
すると彼は
「傷つけるつもりはなく、本当に(遊んでいた女性は)友達だから話していた。
大切な人だから何でも隠さずに話していたし、楽しい事を分かち合いたかっただけだった。」
と何度も謝ってくれたのです。
その出來事から私の中にある「嫉妬」や「憎しみ」といった一見醜いと思う感情に氣づき、それを認める事が出來て本当の自分を取り戻しました。
このように自分を傷つく事から身を守る為に仮面をかぶり演じていく事を何度も繰り返していく事により、本当の感情は無意識へと押し込められていきます。
そして、演じている事が本当の自分だと心から勘違いしていくのです。
まるで、細胞までもそれに感染していくかのように…
これがペルソナのメカニズムです。
幾つものペルソナを演じている
誰もが幾つものペルソナを演じています。
そして、ペルソナが剥がれて本当の自分を取り戻し、苦しみから抜け出す事が出來ます。
本來の自分を取り戻し、樂になり心地よく生きる事が出來るようになります(*^^*)
私の場合、彼を使ってペルソナに氣づく出來事を起こしてくれたんですね。
この後宇宙に感謝したのは言うまでもありません☆彡
これは1つの例ですが、1つだけでなく何個もペルソナはあります。
その1つ1つに氣づいていく事で、どんどん本來の感情を取り戻しその感情から解放され、本來の自分と統合していきます(*^^*)
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